はじめに|「ぎっくり腰になった…」そのとき、ストレッチしていいの?
- 腰をちょっとひねった瞬間に“ピキッ”と激痛
- 起き上がるのも、くしゃみをするのもつらい
- 湿布やコルセットで凌いでるけど、何をすれば治るの?
そんな「ぎっくり腰」のときに、“ストレッチしていいのか”問題は誰もが迷うポイントです。
この記事では、体操選手として腰痛を繰り返し、40代での競技復帰後もリハビリと向き合ってきた実体験をもとに、
- ぎっくり腰のメカニズム
- 絶対に避けるべきストレッチ
- フェーズ別の対応と再発予防
を分かりやすくお伝えします。
第1章|ぎっくり腰=「筋肉の肉離れ」や「関節捻挫」
✅ぎっくり腰は“骨”ではなく“周辺組織の損傷”
医学的には「急性腰痛症」と呼ばれるぎっくり腰。
その多くは以下のような原因によって起こります。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 筋膜・筋肉の損傷 | 腰を支える多裂筋・脊柱起立筋・腰方形筋などの急性損傷 |
| 関節捻挫 | 椎間関節が捻じれ、炎症が起こる |
| 軟部組織の炎症 | 靭帯や筋膜に細かな損傷が生じ、痛み物質が放出される |
つまり、「骨がずれた」といった表現よりも、“捻挫+肉離れ”に近いイメージです。
✅私自身も体操復帰後に一度、軽度のぎっくり腰を経験しました
- 倒立の着地後、腰に違和感 → 翌朝、前屈もできず
- 焦ってストレッチをした結果、症状が悪化
- その後のリハビリで「動くこと」と「休むこと」のバランスが重要だと痛感
第2章|ぎっくり腰直後に“絶対やってはいけない”こと
❌強い前屈ストレッチ
→ 損傷部位がさらに伸ばされて悪化します
❌“ひねる”動き
→ 椎間関節への負荷が増し、炎症を助長する可能性あり
❌「我慢して動かす」
→ 筋肉が防御反応で硬直している状態で無理に動かすのは逆効果
✅この時期のキーワードは「安静すぎず、動かしすぎず」
完全な寝たきりでは回復が遅れ、軽く動いた方が回復が早いという研究報告もあります。
※ただし**“痛みが悪化しない範囲”で動かすのが前提**
第3章|フェーズ別・安全なストレッチ&動き方
📍フェーズ1:急性期(1〜3日目)=基本は安静+姿勢管理
| やること | ポイント |
|---|---|
| 楽な姿勢で横になる(膝下にクッション) | 腰の筋緊張を抜く/筋膜の癒着予防 |
| 痛みのない範囲で寝返り | 長時間同じ姿勢を避け、軽い体重移動を |
| お尻の筋肉を「意識だけ」する | 動かさずに“力を入れて緩める”感覚練習から始める |
❗この時期のストレッチは基本NG
→「動かしたくなる衝動」を我慢し、“回復環境を整える”のが最優先
📍フェーズ2:亜急性期(3日〜1週間)=ごく軽い動きで再教育
| 動き | 解説 |
|---|---|
| 仰向けで膝を立て、左右に倒す | 腰を動かさず、股関節〜お尻の動きで“ほぐす” |
| 四つん這いロッキング | 赤ちゃんのように前後に体重を移す(可動域は浅く) |
| 骨盤の前後傾運動 | 骨盤をゆるやかに前後に動かす(※立位・椅子どちらでも可) |
📌 目安:痛みがない方向のみ、1日2〜3セット程度から
リハビリ的な動きで、筋肉の“再教育”を始めるイメージです。
📍フェーズ3:回復期(1週間〜)=腰を守るための柔軟性確保へ
| ストレッチ | 目的 |
|---|---|
| 大腿四頭筋ストレッチ | 骨盤前傾→腰椎圧迫の改善に重要 |
| 腸腰筋リリース | 座りすぎによる腰の反り対策 |
| お尻・ハムストリングの静的ストレッチ | 骨盤後傾の癖改善・神経圧迫の予防 |
この時期からようやく**“本格的なストレッチ”が再開可能になります。
ただし「腰を伸ばす」ではなく「腰を守る筋肉を整える」ことが目的**です。
第4章|ぎっくり腰を繰り返さないための予防ストレッチ3選
① 股関節スライドストレッチ(骨盤の可動域改善)
- 足を前後に開いて腰を落とす → 股関節に体重を預ける
- 骨盤と腰が連動する感覚を育てる
② 腹式呼吸&腹横筋トレーニング(ドローイン)
- 仰向け or 四つん這いで腹を膨らませる → 凹ませる
- 腹圧コントロールで腰椎の安定化=内側からのコルセット
③ 背中〜お尻ラインのリリース
- ストレッチポール or テニスボールで臀部〜広背筋までをやさしく解放
- 緊張を抜いて“腰が全部背負わない身体”を作る
まとめ|ぎっくり腰にストレッチは「時期を選べば効果的」
「ぎっくり腰=動かさない」は一部正解、しかし**“時期を誤らなければ動かした方が回復は早い”**というのが近年の共通認識です。
- 急性期は“整える”ことが最優先(冷却・安静・姿勢)
- 亜急性期は“ゆるやかに再教育”(力を抜く、動かす)
- 回復期には“守るための柔軟性”を(腰ではなく股関節・体幹に注目)
私自身も、ぎっくり腰後の競技復帰を通して、「怖がらず、無理をせず、適切な順序で戻す」ことの大切さを痛感しました。
ぜひご自身の体調と相談しながら、“無理のない回復と予防”のためのストレッチを取り入れてみてください。


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