はじめに|寒くなると、体も心も“縮こまる”
気温が下がりはじめる秋口から冬にかけて――
「なんだか体が重い」
「肩が凝る、腰が固まる」
「朝ベッドから出るのがつらい」
そんな声を、生徒や保護者の方からよく聞くようになります。
実際、自分自身も40代で現役復帰した体操選手として、寒さによる可動域の低下やケガのリスクは強く実感してきました。
この記事では、「なぜ寒い季節にストレッチが重要なのか」、そして「どんな内容が効果的か」を、私自身の経験も交えながら紹介していきます。
第1章|なぜ寒くなるとストレッチが必要なのか?
❄️ 筋肉の弾力が低下する
気温が下がると、筋肉や関節の温度も自然と低下します。
筋肉が冷えて硬くなることで、普段なら何でもない動作(立ち上がる、振り返るなど)でも痛みが出たり、違和感が強まったりします。
特に影響が出やすいのは以下の部位:
- 首・肩周り(いわゆる“巻き肩”姿勢が悪化)
- 腰・股関節(骨盤が後傾しやすくなる)
- ふくらはぎ・足首(血流が滞り冷えの原因にも)
❄️ ケガのリスクが上がる
寒い時期に多いのが**「ぎっくり腰」「寝違え」「肉離れ」といった急性のケガ。
これは、筋肉や腱が「準備できていないのに動いてしまった」**ことが主な原因です。
私自身も、冬場にウォーミングアップを怠ったせいで、アキレス腱を切った苦い経験があります。
あのときの後悔を、指導現場では必ず伝えるようにしています。
第2章|寒い時期こそ「動的ストレッチ」が効く
よく「ストレッチ=座って静かに伸ばすもの」というイメージがありますが、寒い時期にいきなり静的ストレッチをすると、逆に痛めてしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)。
✅ 動的ストレッチとは?
筋肉を反動やリズムを使って動かしながら温めるストレッチ方法。
具体例:
- 軽いスクワット
- 上半身のツイスト(左右に大きくひねる)
- 肩回し+腕を大きく振る
- 足を前後にスイングする
これらはすべて「関節の可動域を使って血流を増やす」ことが目的です。
とくに朝や外出前には、体温と心拍をゆっくり上げていく準備運動として非常に効果的です。
第3章|私の冬の朝ルーティンを紹介
40代になってからの私は、冬の朝は「体を温めてから動く」がルールです。
以下は、実際に私が毎朝やっているウォームアップです。
🛏 起きてすぐ(布団の中)
- 深呼吸(3秒吸って6秒吐く×5回)
- 手足を伸ばして背伸び×3回
- 膝を左右に倒す骨盤ツイスト
→ ここでようやく布団から出ます
🪑 ベッドから出てすぐ(立ち上がって)
- 肩甲骨まわりの「羽ばたき運動」30秒
- 膝と股関節の屈伸(軽いスクワット)10回
- ふくらはぎのカーフレイズ(つま先立ち)10回
- 腰に手を当てて骨盤まわし 各10回
この流れで5分程度。体もポカポカして、気分もスッキリします。
第4章|冷えを感じたときの“ピンポイント”ストレッチ
寒い時期、特に固まりやすい部位ごとのストレッチも紹介しておきます。
🎯肩・首まわり
- タオルを使って首を斜めに引っ張るストレッチ
- 肩甲骨をぐっと寄せて下げる動作(肩こり解消)
🎯腰・股関節まわり
- 片膝立ちストレッチ(腸腰筋ほぐし)
- 仰向けで膝を抱える動き(腰の緊張を緩める)
🎯ふくらはぎ・足裏
- 壁に手をついてアキレス腱ストレッチ
- 足裏でゴルフボールやペットボトルをコロコロ転がす
第5章|指導現場で見えてきた「子どもと大人の違い」
体操教室では、冬になると子どもたちも動きが固くなります。
ただ、大人と違って子どもは**「寒さで固まっていることに気づいていない」**ことが多いのです。
だからこそ、**最初の10分間で「しっかり動かす」**ことを重視。
例えば:
- 音楽に合わせてジャンプやスキップ
- ゲーム形式で関節を全方位に動かすメニュー
- 対面でまねっこストレッチ
大人も同じ。
“動かされる”ではなく、自分から動きたくなる仕掛けをつくることで、寒さに負けない体ができていきます。
第6章|「ストレッチ=冬の防寒対策」だと思ってほしい
冬は、服で体を温めることばかりに目が行きがちですが、体の内側から温める習慣こそが、最大の防寒になります。
特におすすめなのは以下のセット:
- 朝:ストレッチ+白湯+ゆっくり朝食
- 昼:外出前に肩まわしや膝の屈伸
- 夜:お風呂上がりに静的ストレッチ
この3点だけでも、冷えによる不調がぐっと減ります。
まとめ|寒い朝こそ、「動きたくない」がストレッチの合図
寒い季節は、やる気もモチベーションも下がりがち。
でも、だからこそ**「やれば確実に体が変わる」**のがこの時期です。
私自身、
・ヘルニアを抱えて冬場のトレーニングに悩んだ日々
・痛みと向き合いながら調整してきた競技復帰
・指導現場で子どもと一緒に動きながら得た気づき
そういった体験を経て、今は「冬こそストレッチのチャンス」だと断言できます。
動きたくない朝こそ、まずは“1分”でいい。
冷えた夜こそ、寝る前に“ひと呼吸”だけでも。
今日から、あなたの冬の体調管理に「ストレッチ」という防寒ツールを取り入れてみてください。


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